旅の記録

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世界最悪クラスの大気汚染都市ラホールを歩く【パキスタン旅】vol.15

朝、大通りを駆け抜けるバイクの騒音で目が覚めた。 ここラホールは、カラチに次ぐパキスタン第二の都市で、16世紀にはムガル帝国の都として繁栄し、今も壮大な歴史遺産が残る。「イスファハーンは世界の半分。ただしラホールがなければ」という言い回しも...
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イスラマバード観光:人々との交流から見えるパキスタンの文化【パキスタン旅】vol.14

次に訪れたのはパキスタン記念碑。2007年に建設されたこのモニュメントは、イギリスからの独立運動による犠牲者を讃えるためのものだ。4つの大きな花びらのようなデザインは、パキスタンの4つの州(パンジャブ州、シンド州、バローチスターン州、カイバ...
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ヨーロッパより安全?人工都市イスラマバードを歩く【パキスタン旅】vol.13

柔らかな布団に包まれ、イスラマバードで静かな朝を迎えた。フンザより標高が低くなったため、気温は15℃と穏やかだ。冷涼な空気が心地よく、窓の外には整然とした都市の景観が広がる。 朝食を求めて、街へと足を運ぶ。大通りには車がひっきりなしに行き交...
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一帯一路の光と影:カラコルムハイウェイ終着点へ【パキスタン旅】vol.12

さらに進むと、渋滞に巻き込まれた。工事車両のせいで車の列は完全に停止し、全く動く気配がない。 車外に出ると、道端には腰掛けるのにちょうど良い大きさの石が転がっていた。その上に座っていると、周囲の人々が次々に話しかけてくる。そのうちの一人は、...
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ギルギットからイスラマバードへ 12時間のデスロード【パキスタン旅】vol.11

パキスタン滞在3日目の朝、ギルギットの空は澄み渡る快晴だった。朝一番の首都イスラマバード行きの飛行機に乗るため、ギルギット空港へ向かった。 これまでの2日間を共に過ごしたドライバーのアシュラフとは、ここで別れることになる。彼に感謝を伝え、固...
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ギルギットの住民の家で見えた、パキスタンの健康課題【パキスタン旅】vol.10

今夜は、友人が中国-パキスタンの国境を越えた際に知り合った現地住民の家に泊めてもらうことになっていた。スストを離れ、目的地のギルギットに到着したときには、すでにあたりは暗くなっていた。 夕食まで時間があったので、家の裏にある山へ散歩に連れて...
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雪で閉ざされた中国との国境-クンジュラブ峠-【パキスタン旅】vol.9

カラコルムハイウェイをさらに北上し、ついに最北の町スストに到着した。 遠くに緑や黄色に彩られたトラックが何台も並んでいるのが見えた。道路の両側には商店が立ち並び、カフェのテラス席ではトラックドライバーたちがタバコを吸いながら談笑している。フ...
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最果てのゴジャール(上部フンザ)へ【パキスタン旅】vol.8

翌朝、窓に差し込む光で自然に目が覚めた。すでに日は昇り始めている。慌てて毛布を払いのけ、宿の屋上へと駆け上がった。 日の出の瞬間には間に合わなかったものの、雪山の頂に当たる光が、徐々に山肌全体を照らしていく様子を眺めることができた。自然が織...
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パキスタンの遠い平和【パキスタン旅】vol.7

家の広間には、イスマーイール派の指導者が描かれた額縁が飾られていた。91歳になるウッラーの祖父がちょうどその額縁に向かって頭を下げ、小声で祈りを唱えている姿が印象的だった。横で薪がパチパチと燃える音に、祈りの声がかき消される。談笑していた若...
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長寿の里フンザの変容【パキスタン旅】vol.6

フンザ・ウォーターを飲み干した後、ずっと気になっていたことをウッラーに聞いてみた。このフンザ地方でなぜ酒が飲まれるのか、またイスラム教徒であるにも関わらずなぜ酒を許容しているのか。 その問いに対して、ウッラーは冗談混じりに「俺たちはまだ若い...